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HOME  » よくある質問 » 具体的事案に対するケーススタディ(事例紹介)
【契約法務】契約書って、弁護士にいちいち見てもらう必要があるの?
 そもそも契約書は、ご自身の相手方に対する権利義務を定めるもの。内容がきちんと整っていればトラブルを未然に防止することができますし,万が一トラブルが生じたとしても,ご自身の権利を司法機関を使って強制的に実現できるものです。
 しかし,契約書の中身が法的にしっかり整っていなければ,そのような効果を得ることはできません。
 ですから契約書は、自分で作るもの。ご自身で、自身に有利なように作るものと考えるべきです。

 相手方の作った契約書にそのままサインしていませんか?ご自身の権利はちゃんと法律によって実現できるようになっていますか?ご自身の義務ばかりが具体化されていて、権利は法律上意味のない空疎な文言で飾られているだけ、すなわち「絵に描いた餅」になっていませんか?
 良くチェックもしないでサインをしたばかりに、困ったことになっているお客様(個人や法人)を、私はたくさん見てきました。

 何となく交わしているかもしれない契約書。いったい何のために作るものなのか、改めて整理してみましょう。

(1)後日の紛争防止
(2)紛争が起きたとき、ご自身の権利をきちんと実現できるようにし、問題を有利に解決するため
(3)自分がやりたい商売をやりたいようにできるようにするため

 このように考えると、契約書をつくる、ということは、すなわち事業戦略に他ならないものと言えることがお分かりいただけると思います。
 
 その契約書によって実現しようとする利益は何か?中・長期的なビジョンは何か?
 相手方との法的関係以外の力関係は?
 相手方に対する信用度は?それを担保するものは?

 契約を結ぶ、契約書を作るということは、事業遂行上考慮すべき様々な要素を踏まえながら、多角的な視点をもって検討すべきことです。

 その点で、比較的オールラウンダーな専門士業である弁護士にチェックを入れてもらう、経営戦略も含め相談に乗ってもらうことは、大変重要な意味があります。

 転ばぬ先の杖。あとで泣きたくないのなら、1万円程度の相談料を惜しまずに、ご相談においでください。
【法律紛争における交渉】弁護士さんに代理を委任すると弁護士費用が高いので、自身で交渉をして、困った時に1時間程度の相談を受けようと思うのですが、どう思いますか?
結論から申し上げますと、ある程度の規模の企業の法務部さんでもない限り、全くお勧めしません。

弁護士のアドバイスをお聞きになって、トラブルの渦中にあるご本人が紛争解決の交渉をしたとしても、聞きかじりの生半可な知識でよりよい解決を導き出すのはまず不可能です。
時には、弁護士から聞いた知識を中途半端に振りかざしたために、かえって相手方の態度を硬化させ、交渉が暗礁に乗り上げることもあります。

紛争処理にたけた弁護士は、将来対立が激化して訴訟となった場合の有利不利の見通しも踏まえつつ、法的観点からの優劣のみならず、相手方の譲歩を引き出す技術(ある種の「和解の技術」)にもたけています。こうした知識や技術は、一朝一夕に身につくものではありませんから、日々の受任業務を通して紛争処理の知識経験を蓄積した弁護士同様のパフォーマンスを、法律問題の当事者の方がすることは不可能です。

ましてや紛争の渦中にいる当事者の方は、重い精神的ストレスにさらされています。「傍目八目」という言葉があるように、ご本人で処理をなさろうとせずに、ある程度、自分の味方になってくれる第三者に「預けてしまう」事も必要です。

弁護士に交渉代理を委任するといっても、表面的には弁護士の名前を出さずに、交渉の中身は弁護士が行っているけれども、あたかもご本人が交渉をしているように装うことも可能です。

確かに弁護士費用は高いかもしれません。しかし、それに見合うサービス提供を行い、安心と満足を感じて頂く自負をもって、弁護士は日々業務にあたっています。

信じるか信じないかは、あなた次第です。
【商品取引上のトラブル】当社は建材の販売会社です。ある工務店(クレーマー気味の会社のようです)に販売した建材について、瑕疵(欠陥)があるとして、しつこく損害賠償を求められました。当社としては、賠償に応じる理由がないと考えて請求を拒否していましたが、予期に反して損害賠償請求の訴訟を起こされました。どのように対応したらいいでしょうか。
事案としては、裁判で徹底的に争って、原告敗訴に持ち込むことも十分に考えられました。
しかし、時間と労力をかけて判決まで持ち込むことが必ずしもご依頼者の利益にかなわないこともあります。

私は、まずご依頼者の方が、法律論を離れて、この問題をどう解決したいのかをお聞かせ頂くことにしています。

私が受任した案件では、当該商品は、販売当時は欠陥商品ではなかった(カタログ通りの性能を有していた)ので、損害賠償に応じる理由はないと考えているが、紛争を早く終結させたいし、当該建材のメーカー(商品の仕入れ元)も、現在販売しているより性能の良い建材を無償で提供すると言っているので、その建材の無償提供だけで紛争を収束させたい、裁判を長引かせて変な噂が業界内に立つのも避けたいし、裁判に会社の従業員をいつまでも従事させるのもしんどい、とのご意向でした。

 そこで私は、裁判上の主張書面ではあくまで法律上損害賠償義務はないことを十分に主張したうえで、当該建材の性能の判断には専門家の意見を聞く必要があること、場合によっては話し合いによる和解に応じる用意があることを裁判所に伝えて、訴訟手続きを調停手続きに変えて(付調停、といいます)もらいました。

 話し合いの席では、法律上の損害賠償義務を認めることは要件上困難であることを強く主張する一方で、新たな建材の提供は相手方の工務店にとっても悪くない話であること、早期の解決は相手方にとっても利益があることを述べて相手方を説得し、最終的にご依頼者のご希望通りの和解を成立させることができました。

 このように、同じ損害賠償請求事件、原告(請求者側)の要求に根拠がない場合であっても、対応する側(被告側:今回のケースの私への依頼者)の業務上・営業上その他さまざまな利益考慮の内容によって、様々な進め方があります。私が受任事件を「オーダーメイド」と呼ぶ理由はまさにそこにあります。

 ご依頼者の方一人ひとり(一社一社)のご要望に応じて、事件処理をきめ細やかにカスタマイズすること。それが私の持ち味であり、その点は高く評価していただいています。
【遺言・相続】遺言書(とくに公正証書遺言)があれば、私の死後に遺産相続争いは起きないと聞いたことがありますが、ほんとうですか?
 いいえ、そうではありません。
 遺言があっても、その遺産の分割方法を巡って争いになることはあります。

 たとえば、相続人のうちの一人に法定相続分を超える相続をさせる場合(例:長女だけに全部の遺産を相続させ、ほかの相続人には遺産を与えない)には、それに納得できない相続人から遺産分割協議の申し入れや、場合によっては遺言の無効まで主張されることがあります。

 また、遺留分(妻や子供など、特定の相続人には遺言の内容いかんにかかわらず、最低限相続できる財産の額というものが民法で決まっています)について明記していなかったために、遺言によって相続分を減らされた相続人から遺留分減殺請求がなされたり、遺留分の金額算定や分配の方法をめぐってあとに残された相続人が非常に苦労することがあります。

 また、将来の相続争いを避けるためと言って、遺産の分割をご自身の生前にやってしまおうというご趣旨なのか、ご自身の財産を将来の相続人の一人の名義にしていたことによって、かえって死後相続争いに発展することもあります。名義人になった相続人は、他の相続人から「遺産を自分勝手に使った」、「亡くなった被相続人(たとえばお母さん)をたぶらかし財産をもらったんだ」、「本来分割対象となる財産だから返せ」、などと言われ、それまで仲が良かった兄弟関係・親族関係が一気に不信と懐疑、恨みつらみの関係に激変することもあります。

 遺産分割の前倒しの趣旨で生前贈与を行うにしても、その趣旨が生かされるように、上手にやるべき方法があるのです。もちろん税金のことも考えなくてはなりません。

 遺言の書き方は、将来起きるであろう紛争とその処理を熟知した専門家に相談して、なぜそのような遺言を残そうと決めたのか、という動機の検討や、その明示も含め、綿密に内容を検討しなければなりません。遺言書に記載する文言や内容も、法的紛争が生じないように、十分な注意が必要です。

 安易に遺言を作成したために、かえって家族関係の悪化を招くこともあります。

  「餅は餅屋」といいます。本当に後顧の憂いをなくしたいのなら、転ばぬ先の杖、弁護士に相談の上、遺言書を作成してください。
 
【離婚】夫からまったく理不尽な理由で一方的に離婚を求められました。家庭裁判所の調停の席では、私がどうしても離婚に応じなかったので不調に終わりましたが、夫がどうしても離婚したいと言って譲りません。とうとう離婚の裁判になってしまいました。どうしたらいいのかわかりません。
 ご主人の主張する離婚原因となる事実が、まったくのうそ、あるいは誇張である場合には、それを明らかにするヒントが必ず隠されています。天網恢恢疎にして漏らさず。嘘は、ばれます。

 離婚原因というのは家庭の中で起こることが多いので、客観的な物証があることは少ないのですが、事実の経緯を丹念に拾っていくことで、何が真実かをあぶりだすことは十分可能です。

 このケースでは、夫の主張の虚偽性・誇張性を各種の証拠や証人尋問ではっきりさせ、夫からの離婚請求を第1審で棄却に持ち込むことができました(妻=被告=私の依頼者の全面勝訴)。
 
 しかしご主人は、その判決を不服として高等裁判所に控訴してきましたので、奥さんは引き続き裁判手続きに関わらざるを得なくなりました。
 これをきっかけにして、奥さんはうんざりし、ご主人と離婚することを決めましたが、子供の養育費と慰謝料はきちんと払ってもらいたいとのご意向でしたので、控訴審では妻側から離婚と慰謝料請求の反訴を行い、夫側からの離婚請求に理由がないことをはっきりさせたうえで、妻側の言い分に沿って離婚の合意と慰謝料の支払いを裁判所に進めてもらうことができました。
【DV加害者の離婚問題】妻に暴力をふるったことが原因で,妻が子供を連れて家を出て行ってしまいました。妻は離婚の調停を起こす予定にしていると聞いており,いずれ裁判所から調停の連絡があると思います。
 私としては,できれば妻とやり直したいと思っているのですが,どのようにしたらいいでしょうか。
 男性,女性を問わず,配偶者やパートナーに暴力をふるってしまったり,「モラハラ」と評価できるような暴言の繰り返し,精神的虐待を行ってしまったことにより,相手方から離婚を求められる方は少なくありません。
 ご相談者ご自身が「そんなに暴力は振るっていない」「離婚しなければならないほどの暴言は言っていない」と思っていても,客観的に見れば,また相手方の立場に立ってみれば,受忍限度を超える暴力・暴言を繰り返していた,ということがあります。
 逆に,被害を訴える側が,離婚をしたいがために,その口実・方便として「DV被害」を誇張して訴える場合もあります。
 DV加害者となった(「加害者」とされた)方が,相手方から離婚を求められた際の対応について,ご説明します。

① まずは冷静になってください。「客観的な状況がどうだったか」が重要です。
  弁護士はまず,その案件の客観的状況はどうだったのかの把握に努めます。相談にお越しの際は,様々な感情がないまぜになり,興奮して落ち着かず,冷静ではいられないでしょうが,まずは落ち着いて,客観的にどういうことがあったのか,冷静に説明をしてください。
  DV案件の当事者の方は,とかくご自身の行為や相手方の反応,要するに案件の客観的状況を冷静に見つめることができません。感情の問題で,ご自身の認識にバイアス(歪み)が生じているかもしれない,ということは,自覚された方がよいでしょう。

② ご相談者の方が,行った言動,やった事実はやった事実として素直に認める。一方で,やっていないことは「やっていない」とはっきり言おう。
  あくまで一般論ですが,DV加害者(とされた)方は,「相手方がそんなに大げさに騒ぐほど叩いていない」「モラハラと評価されるようなことはしていない」「そんなに頻繁にやっていない」との弁解をしがちです。
  しかし上に述べたとおり,その方の事実認識には,ある種自己に有利なように「バイアス」がかかっている場合があります。ご自身が認識している以上に,ひどいことを配偶者・パートナーにしているかもしれません。逆の立場だったら,「許せない」と思うことをしているかもしれません。
  そこで,最初に述べた通り,冷静になって,実際にあった,起った事実・行動は何なのかを見つめなおす必要があります。
  ご自身が感情的になって行った行動をご自身で認めるというのは,なかなか苦しいことです。しかし,すぐにはできなかったとしても,いつかは必ず必要となってくる作業です。弁護士はあなたの味方としてお話を伺いますから,まずは,冷静に,落ち着いて,お話になって下さい。
  逆に,ご自身がやってもいない言動を相手方から「やった」「言った」と言われている場合には,それはきちんと否定して,弁護士に説明して下さい。
  ここで弁護士は,「ご相談者がやったこと」と「やっていないこと」をはっきりと峻別するために,いろいろと質問をします。事実確認を厳密にする必要があるので,時には,大変厳しい,シビアな質問をすることもあります。
 ご相談者の方にとっては,詰問されているように感じるかもしれません。「弁護士は私を疑っているのだろうか」と感じて,弁護士を不信したり,「先生は僕を疑っているんですか?」「先生はどっちの味方なのですか?」などと激昂される方もおられます。
 私にとって,そんな質問は「正直,ウザイ」です。
 弁護士が,お金をもらって,ご相談者・ご依頼者の正当な利益を確保するためにお話を聞いているのです。あなたの味方に決まっているではないですか!
 すべては,あなたの利益を確保するために必要な作業として行っているのだということを理解してください。

③相手方に苦痛を与えた事実は事実として謝罪する。やっていないことはきっぱりと否定する。
  
配偶者やパートナーに苦痛を与えた事実があるなら,素直に謝罪するべきです。ご相談者の方が,配偶者・パートナーとの方との関係を改善したいと願っているなら,また,関係の解消はやむを得ないとしても今後子どもたちとの関係を健全で円満にしたいと思うなら,まずはそこから始めるべきです。
  この際には,上記に述べた通り,客観的事実関係が重要です。ご相談者・ご依頼者の方が確かに行った暴力・暴言をあいまいにしたり否定したり,逆に,やってもいない事実を「全部自分が悪い」と自己卑下して謝罪する,というのは,誠実な態度ではありません。それでは,相手方からの信頼を回復することはできず,配偶者や子どもさんとの関係改善は難しいでしょう。
 「自身の誤りを率直に認めて,素直に謝罪する」というのは,言うほど簡単なことではありません。しかし,関係の修復の第1歩として,頑張っていただきたいと思います。

④ 相手方の「苦しかった」「悲しかった」との声を,じっくり聴いてみましょう。
  相手方の言い分を聞いていると,反論したいこと,ご自身の言い分が次から次へと出てくることだと思います。それはある意味当然です。そういう土台があるからこそ,配偶者・パートナーに向けたご自身の行動が発生したのだと思いますから。
  但し,相手方との関係を改善しようと思ったら,まずは相手方の感情を慰撫する必要があります。ご自身の言い分を抑えて,しばらくの間「聞き役」に徹する。ここはある種の「我慢」が必要です。
  もっとも,ご依頼者・ご相談者の方が,相手方から直接聴取をしようとすると,上記のとおり,ご依頼者・ご相談者の方にも感情的反発が生じるので,「我慢するのが非常に難しい」場面も出てきます。この点,交渉にたけた弁護士を代理人に立てて,弁護士を通して相手方の言い分や感情を聞き取ることによって,相手方の慰撫を行うこともできますし,ご依頼者・ご相談者の方も冷静に対処することができます。

⑤なぜ相手方にきつく当たってしまったのか,原因をメモに書きあげてみましょう
  
これらのことは,相手方に直接ぶつけてはいけません。それでは相手方との感情的対立が激化するだけです。まずは相談・依頼している弁護士にしっかり聞いてもらいましょう。
  一つの方法として考えられるのは,紙に書き出してみて,ご自身で冷静に分析してみることです。もしその作業がつらい時には,弁護士と一緒に話をしながら,メモを作ってみてはいかがでしょうか。
  「原因がわからないのだけれど,気が付いたら配偶者にきつく当たってしまう,暴力・暴言に出てしまう」という方もおられると思います。理性的にはわかっているのだけれど,感情がコントロールできないなど,お一人での解決が難しい場合も多々あります。その場合には,心理専門家のカウンセリングやアドバイス,心療内科や精神科のお医者さんの助力が必要・有効な場合もあります。

⑥今後,相手方との関係を改善するために「自分に何ができるか」を考えてみましょう。
 相手方を非難攻撃したくなる気持ちをぐっとこらえて,まずご自身に何ができるか考えましょう。
 相手方の態度がどうであれ,「自分ができる努力はこれです」と相手方に示すことができれば,少しずつかもしれませんが,相手方との信頼関係が徐々に形成され,関係改善に向かうことができます。

⑦あとは相手方の言い分をよく聞いて,上記④⑤⑥を繰り返します。ご自身ができること,約束できることを考えて実行していきましょう。
  愛する配偶者やパートナーを苦しめたり,悲しませたりしたいと思っている人はいません。原因を冷静に分析して,必要であれば心理の専門家や心療内科・精神科の医師の助力も得ながら,ご自身ができることを見つけて実践していきましょう。ご努力の先に,願いはかなうものと信じます。